アメリカはなぜヒトラーを必要としたか

アメリカはなぜヒトラーを必要としたのか

アメリカはなぜヒトラーを必要としたのか

言われてみればなるほどその通りだ。第一次世界大戦でけちょんけちょんにやられ、巨額の賠償金の負担と重要な工業地帯の領土割譲で国力を著しく弱めてしまったはずのドイツがわずかの期間で再軍備を果たし第二次世界大戦を起こせるまでにその国力を回復できたのか。

書名から想像つくだろうがドイツを積極的に支援したのはアメリカであった。アメリカの政界財界両面の支援を得てドイツは国力を回復できた。しかし話はそんなに単純ではない。第二次世界大戦でドイツとアメリカは敵対した。単純なドイツとアメリカとの関係だけでなくアメリカ国内の対立。第二次世界大戦アメリカが参戦するまでの表裏いろんな場面での駆け引きはまるで小説を読んでいるように面白い。この駆け引きは第二次世界大戦後から現在に至る国際状況にもつながってくる。そして本書では直接触れられていないが第二次世界大戦後日本が奇跡の復興を成し遂げたその裏をついつい考えたくなってしまう。しかもこの本を欧米の歴史学者ではなく日本人が書いたというのがうれしい。かなりお薦めです。是非どうぞ。