Gファイル〜長嶋茂雄と黒衣の参謀

Gファイル
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武田頼政
文芸春秋 (2006.10)
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ISBN:4163681906
価格:\2,000
 第二次長嶋政権を陰で支えた参謀が明かす巨人軍の裏側。
一言で言うと面白く誠に興味深い本。参謀河田弘道が長嶋ジャイアンツを支えるために何を行ったか河田が残していた記録を元に再現する。
 彼は陰の存在としてジャイアンツ内部に諜報機関(=GCIA)を作ろうとする。
GCIAの対象にはもちろん当時長嶋と犬猿の仲と言われた野村ヤクルト監督なども上げられる。しかし本書で割かれている大部分はジャイアントおよび読売本社内に諜報対象は向けられている。ターゲットは選手、コーチだけではない。長嶋家や野村家、もちろんジャイアンツOBや読売本社内での派閥抗争にまで向けられる。
 もちろんいろいろと調べて長嶋へ報告することの目的はチームの指揮をスムーズにしチームを勝利に導くために行っている気持ちは分かるのだが。
 もちろんアメリカ仕込の新しい治療・トレーニングを導入しその結果キャンプで怪我をした松井選手の復帰が早まるなど”功”の部分も書かれているのだけれど。
 単なる暴露本とは違うと思うが、じゃぁこの本を読んだほかの球団が94年、96年ジャイアンツ優勝の実績にも惹かれて河田弘道をスカウトしようとするかと思うと大いに疑問。まぁ河田も要請には応じない気持ちがあるからこそこの本を書かせたのだと思いますが。
さらに言うと河田側の証言のみで本が構成されており諜報対象となった人たちの証言がほとんど出てこない。(実際取材しようとしても難しいと思いますが)
 いや、大変面白く誠に興味深く読ませてもらったんですけどね。