談春七夜 第六夜「蛍」於東京芸術劇場小ホール

立川談春 挨拶
柳家三三 乳房榎〜おきせ口説き
立川談春 乳房榎〜重信殺し
・お仲入り
立川談春 棒鱈

 こういう人気のある落語会はどうせチケットが取れないと端からあきらめていたら
ネット上に一緒に行く予定の人が行けなくなってと、チケット救済依頼が来ていたので
手を上げて、見ることが出来た。

 舞台に大きく”蛍”の文字の書かれた特大タペストリーが降りている中、談春師登場、当日いただいた案内にも書かれていたがきれいな蛍を見てこの日のテーマを先に決めたがいざ”蛍”が出てくる噺を探してみるとなかなか無いそうでようやく円朝作にたどり着いたとか。で、このシリーズの前座を多く務めている三三さん(もちろん階級は前座ではなく真打ですが)をべたほめ。後輩の噺を聞いて初心に帰ろうと思わせる噺家さんは彼だけだとか。ほめているのかプレッシャーをかけているのか分かりませんが、今回はリレー落語形式で前半を三三さんが担当することに。
 で、三三さんが少し苦笑しながら高座に上がる。ただこの落語会は何度も前座を務めておりなれた感じ。
 前半のおきせ口説きはタイトルどおり、くどきくどかれの色っぽいと言うか深刻で静かなシーンが続く。それに対して後半はクライマックスでどきどきするシーンが出てくるのだが、そこにいたるまではまず女性が出てこないこと、下男正助がなまりの強い田舎ものの親爺ということもあって緊迫感はむしろ前半のほうがあったかも。ただ談春が再現したかったと言う蛍のシーンはやはりきれいだった。
談春の乳房榎を聴いたのは確か二回目。前回も重信殺しまでだったがこの話しまだ続きがあるそう。気になる方はこちらをどうぞ→
 お仲入りをはさんで後半、今度は思いっきりリラックスできる噺という事でお得意の棒鱈。無粋で悪役のはずの田舎侍の愛嬌のあるめちゃくちゃな唄が好き。
 終演後、知り合いを発見し近くの居酒屋で”赤べろべろの醤油漬け”ほかをいただく。”いぼいぼのスッパ漬け”が見当たらず残念。