第576回無声映画鑑賞会〜第二回澤登翠一門会 於門仲天井ホール

 以前素人落語会天狗ディスコ*1に紙芝居でゲスト出演していた若手弁士片岡一郎さんが見たくて足を運ぶ。会場自体初めてだったんだけどキャパ120ぐらいかな、ほぼ満席。
 ・第一部レクチャー
  活弁映画史講座 澤登翠
 ・第二部 映画上映
  フランス初期作品集 片岡一郎
  ポンペイ最後の日  斎藤裕子、桜井麻美、澤登翠

 残念ながら少し遅れて到着。レクチャーが始まる前の前説を大正時代を思わせる袴姿の片岡さんと桜井さんが語ってところで入場。フロックコートに身を包んだ澤登さんが入場し、浅草に日本で最初の常設活動写真館が開かれたところから主に明治末から昭和前期にかけての活弁の歴史を抑揚をつけまた舞台(と言うかスクリーンの前で)を右に左に飛び跳ねながら面白おかしく語ってくれる。
 途中日露戦争のニュース映画で片岡さんの弁士姿が。プログラムを見て後半の映画上映だけ方と思っていたが少し得した気分。
 またこの解説中SP盤(?)に録音され残っていたと思われる活弁全盛期の貴重な録音をいくつか聞かせていただいたのだがすいません、何を言っているのかあまりよく分かりませんでした。

 第2部トップバッターは片岡一郎さん。映画の父ともいえるリュミエール兄弟と(その制作会社)が撮った映画を上映するのだがほとんどストーリーが無くただただその場の風景、大統領の演説や就任記念パレード、騎兵隊の行進、一部どたばたもあったがストーリーと言えるものがほとんど無かった。従って弁士の台詞も情景描写が大部分で登場人物の台詞や感情説明があまり無く少し物足りなかった。いや、一生懸命調べて弁士してくれていることがよく分かっただけにもっと内容のある作品で聴いてみたかった。
 第2部後半は女性3人によるリレー形式。作品もこれまで見たこと無かったが作品名ぐらいは聞いたこともある著名なもの。それだけにストーリーもしっかりしており始まる前に説明のあったとおり群集シーンもよく出来ていた。始まる前は一時間もある無声映画を本当に飽きずに見ていられるか不安だったが始まってみればそれはまったくの杞憂だった。機会があればもっと活弁つき無声映画を見てみたいと思った。っていうことで野望(?)に一歩近づいたかな。(いや、まだまだ先は見えていないんですけど)