十面埋伏 - chomoの日記

posted with 簡単リンクくん at 2006. 4. 1

張平著 / 荒岡啓子訳
新風舎 (2005.11)
通常24時間以内に発送します。

　以前読んだ凶犯に引き続き張平氏の作品。凶犯と同じく硬直し腐敗した中国の官僚機構に批判の目を向ける社会派作品と呼べるが何しろ作品の規模が違う。
ある刑務所に服役中の受刑者王国炎の告白を聞いた捜査官羅維民はこれまで未解決になっている重大事件の多くに彼が関わっていることを知る。そして捜査しようとするが刑務所や警察機構の上層部が彼に関わり簡単に彼を捜査できない状態であることを思い知らされる。複雑な人物関係、話が進むうちに誰が敵で誰が味方かもわからなくなってくる。先に社会派作品と書いたが中国の腐敗した官僚機構を舞台に置きながら最後は派手なドンパチも出てきて楽しめるエンターテインメントといえる。映画化が決まっているそうだが結構面白い作品になりそうな気がする。ちょっと楽しみ。