元禄いわし侍
元禄時代で浮かぶキーワードといえば上にも書いた好景気とそれが生んだ”元禄文化”、”生類憐みの令”それに”赤穂浪士討ち入り”が挙げられる。本作品は”いわし”を中心におきながら今挙げた3つのキーワードがきれいに絡み合う小説となっている。
登場人物一人一人も面白いがもう少しキャラクターが強くてもよかったかもと思わないでもないが、却って話がスムーズに進んでいいのかもしれない。
本編のそこかしこに”トリビアが随所に描かれておりそれだけでも十分に面白いのだが、ただのトリビア小説にとどまらずきちんと娯楽小説として成立しているところがすごい。氏の小説としては2作目だそうで順序は逆になったがデビュー作も是非読んでみようと思う。