黒い陽炎〜県闇融資究明の記録(ISBN:4875033214)

黒い陽炎
高知新聞編集局取材班〔編〕

出版社 高知新聞社
発売日 2001.11
価格  ¥ 1,365(¥ 1,300)
ISBN  4875033214

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 以前読んだ「追及・北海道警「裏金」疑惑」*1取材班の一人、北海道新聞報道本部の高田昌幸氏のBlogで紹介されていた記事を読んだのが本書を知るきっかけ。*2幸い地元図書館に所蔵されていたので手に取ってみた。
 以前、自ら”糾弾屋”だったと認めた上で”同和利権亡者”と袂を分かつ思いを書いた山下力氏の「被差別部落のわが半生」を読んだ。*3本書はその”同和利権亡者”の要望に屈し闇融資を繰り返していた県側の対応を追求した本。
 外から乗り込んできた橋本大二郎知事のあずかり知らぬところで(本当のところどこまで知っていたのかは不明だが)、さらに言えばごく一部の県幹部だけが代々引き継ぎ行い決して表に出せない文字通りの”闇”融資。本書後書きにも触れられているように”同和”は報道する側にとってもデリケートな問題。同じような地方公共団体の特定団体への優遇措置は高知県にとどまらないと思うが県警裏金問題のように追及の動きが余り広がらなかったように見えることもこの問題の根深さを逆に現しているように思われる。それだけにここまで書くにはいろんなご苦労が合ったろうと想像できる。しかしその分県内の反響は大きかったようで僕が手にした本の奥付は初刷りから10日足らずで刷りましされた2刷りになっている。
 一番最初に触れた警察の裏金についても、稲葉事件の特異性もあって北海道警のそれが目立つが高知新聞の県警追求報道が全国の県警裏金問題の口火を切ったそう。「追及・北海道警「裏金」疑惑」の感想に”期待したい”と書いた続編”「日本警察と裏金 底なしの腐敗」”も出るよう。この本は北海道新聞取材班著となっているがこの高知新聞愛媛新聞神戸新聞など地方紙のサツ回り記者たち”*4だそうで今から手にするのが楽しみです。
 尚、この闇融資事件については本年2月に控訴審が結審し7月に判決が下る予定だそう。キャッシュで失礼ながら高知新聞該当記事はこちら*5