銀輪の覇者(ISBN:4152085622)

銀輪の覇者(ハヤカワ・ミステリワールド)
斎藤純著

出版社 早川書房
発売日 2004.06
価格  ¥ 2,100(¥ 2,000)
ISBN  4152085622

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 昭和9年に開かれた前代未聞本州縦断自転車ロードレースを舞台にした冒険小説。不勉強で全く知らなかったのだが戦前の日本では自転車ロードレースが国民的スポーツといっていいほど人気があったらしい。主人公の響木がかき集めた望月,小松,越前屋の4人の寄せ集めチーム。4人が4人とも内にに秘めたものを持ちながら響木の指導の甲斐あって急増チームとは思えない進歩を遂げていく。この4選手以外にも主催者や軍部、マスコミ他さまざまな思惑が絡み合いながらストーリーは展開していく。内に秘めた思惑が少しずつ明らかになっていく展開ももちろん面白いのだがそれ以上に読み手をひきつけるのが選手・チーム間の駆け引きとレース展開。オリンピックやツール・ド・フランスをチラッと見る程度にしかロードレースの知識のない僕にでも十分に楽しめた。また、この本のおかげで今後自転車ロードレースを見る目も変わってきそう。時代物で登場人物が多くしかも舞台が全国に広がると悪条件が重なり、費用がかさむと思われるがぜひ映像化したら見てみたい作品。結構面白い作品に仕上がると思うのだがどうなんだろう。このミス第5位ということもあるし検討している人もいると思うんだけどなぁ。