私の百人一首(ISBN:4101379092)

私の百人一首(新潮文庫)
白洲 正子

出版社 新潮社
発売日 2004.12.22
価格  ¥ 460(¥ 438)
ISBN  4101379092

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 白洲正子さんの本は”西行*1と何年か前の芸術新朝特集号(追悼号だったかもを)をチラッと見たぐらい。この本のテーマとなる小倉百人一首にいたっては、中学生だったか高校生だったか冬休みの宿題で無理やり覚えはしたが意味も確認せず、ましてや鑑賞なんてとんでもない状態。それがたまたま高島さんの日記に紹介されているのを見て*2(見てからえらく時間がたってしまいましたが)読んでみる。上に書いたとおり僕には小倉百人一首に対する基礎的な素養がないので、読んでいて感心することばかり。まず歌の概略を読んでは”へぇ”、その歌のバックボーンやこの歌を選んだ定家の思いを読んでは”ふぅ”、そしてこの歌に対する白洲正子の考えを読んでは”はぁ”。ため息ばかりついている。これだけですめばよいが、本歌取りであれば元歌の、あるいは同じ人の別の歌や同じテーマで別の人が詠んだ歌など極端なことをいうと一行読むごとに感心ばかりしているのでちっとも読み進まない。にもかかわらず白洲正子

意味など知ったところで鑑賞の足しにはなるまい*3

なんて書いてくるから。もう恐れ入りましたと頭を下げるしかない。ではどうしろというのかというと

・・・古来多くの説があって、いずれとも定めがたい。そういう時、私は、ただ歌を眺めることにしている。そうすると、歌の中から・・・*4

だそうである。この辺りが”私の”百人一首であるゆえんなのだろうが当然僕にはそこまでの力がないので一生懸命歌と白洲正子の文章を照らしながら読み進めるのだがそういう読み方なのでちょっと読むだけでへとへとになってくる。ただ、このへとへと感がなんともいえなず気持ちよかったりする。気持ちいいとは言えやはり疲れるので一気に読み進めることができない。普段は図書館で借りてきて一気に読んでちゃっとここに適当な感想を書いて本は返して次の本への繰り返しだが、この本はそういうわけには行かないのでちょっとずつ気が向いた時に読み進めることにする。ああ、疲れた。

*1:ISBN:4101379025

*2:http://d.hatena.ne.jp/chickaree/20050104#1104852588

*3:藤原興風 誰をかも知る人にせむ・・・

*4:藤原実方阿臣 かくとだにえやは伊吹の・・・