いとしこいし漫才の世界(ISBN:4000221434)

いとしこいし漫才の世界
喜味こいし編・戸田学

出版社 岩波書店
発売日 2004.09
価格  ¥ 2,730(¥ 2,600)
ISBN  4000221434

bk1で詳しく見る オンライン書店bk1
 本書内でも多くの人が述べているがいとしこいしの漫才は上品だった。こいし師ご自身も述べているが、”俺””おまえ”の漫才ではなく”僕””君”の漫才。上品できれいな言葉を使っているから速記を読んでも面白い。勿論、お二人の漫才をテレビやラジオを通じて何度も見たことがあるから速記を読みながら頭の中でお二人のしゃべり口調を再現しながら読んでいる。だがおそらくまったくお二人の漫才に触れたことのない人が読んでもきっと面白いに違いない。どんなに新しい漫才コンビが出てこようともずっと第一線で活躍できたすごさが速記からもにじみ出てくる。この本を読んで改めて驚かされたのがずっと新しい新作を演じ続けていたこと。平成13年初演の”迷い犬探してます”なんてモーニング娘。が出てくる。このネタは残念ながら拝見したことがないが客席に違和感なく受け入れられたであろうことは想像できる。こういった速記が14本も収録されているだけでこの本の値打ちは決まったようなモノ。
 あえて残念な点を上げると、お二人に縁の深かった方のインタビューがいくつか収録されているのだがある年齢以上の方ばかり。もっと若手の芸人さんがお二人をどう見ていたのかが、インタビューの対象をもう少し広げてもらえるとありがたかった。