謀略銀行/大塚将司/ダイヤモンド社(ISBN:4478930511)

謀略銀行
大塚将司

出版社 ダイヤモンド社
発売日 200407中旬
価格  ¥ 1,575(¥ 1,500)
ISBN  4478930511

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 日経新聞の記者として活躍数々のスクープをものにし、2003年当時の日経新聞鶴田社長に対する内部告発を行った著者の小説第一弾。モデルは平和相互銀行の内紛とそれに絡んだ金屏風事件。この事件では背任容疑で逮捕された経営陣側が創業者一族に対抗して何とか銀行を正常化しよう奮闘するさまが書かれている。実際に事件にまったく詳しくないので経営陣側の正義の奮闘むなしくという視点で一方的に書かれてしまって大丈夫なのか少し疑問に思う。また主人公は奮闘しながらも陰謀に巻き込まれわなにはめられてしまうことになるのだがそのきっかけって結局そういうことなんですか、とまた疑問に思ってしまう。だからこそノンフィクションではなく小説という形をとっているのかもしれないが。企業ものというジャンルの小説をあまり読んだことがないので他と比較できないがいろんな立場の人間のそれぞれの思惑が絡みあう様は読んでいてなかなか面白かった。ノンフィクションで20年前の事件をいまさら取り上げても読まなかった可能性が高い。せっかく昔の事件のことを思い出させてもらったので参考文献にも挙げられたノンフィクションのほうも少し読んでみようと思う。