第二回寿会〜貞寿勉強会 於麻布十番会館

般若の面 神田すず
幸村大坂城入城 神田山緑
秋色桜 一龍斎貞寿
亀甲縞 一龍斎貞心
お仲入り
朗読「源氏物語」安達成彦 和田みちる
朗読「傘」 佐藤由美
は組小町 一龍斎貞寿

 四谷の若手伝統芸能*1、柳太郎さんの会*2で聴かせていただき気になっていた貞寿さんご自身の会と言うことで足を運ぶ。商店街事務所にある貸室が会場。なんでも商店街組合が後押しをしてくれているそうで会場代は只、次回は8月に又ここでやるそう。

まずは前座がお二人。すずさんはこどもが出てくる話、山緑さんは修羅場がメインの噺、どちらも前座らしい高座でした。

で、引き続きあがったのが今日の主役の貞寿さん。当たり前のことながら前座とはひと味違うと感じさせる高座。季節ネタと言うこともあってあちこちで聴いた秋色桜。秋色のお父さんが一番目立ってたのが今日かな。

引き続いてあがったのが貞寿さんの師匠、貞心。当たり前ながらここでもキャリアの違いを感じる。
貞寿さんの会でまたゲストの朗読劇側のお客さんもいたのかな。いつもの講談の会に比べると年齢層がかなり若くそれを意識してわかりやすい高座に務める。このネタ初めて聴いたが武士が商売で成功を収めるという噺で普段聴く講談とはちょっと毛色が違うがそれがよかった。大坂の商売人の台詞がちょっと金明竹っぽかったですが。
調べてみたらこの噺、貞心師匠のサイトにNHKで放送したモノがアップされておりました。*3。興味のある方は是非。

お仲入りを挟んで朗読劇を2つ。
源氏物語の方は何年か前にラジオドラマで放送されたモノだそうで原作(脚本?)の方の名前を最初におっしゃっていましたが聴き損ねました。夕顔の場面を取り上げているようだが原作とは微妙に違うよう。といっても知識がないのでその辺りはよくわからない。特にヒロインとその敵役となる女性両方を演じ分ける和田みちるさんの表情の変わり方が印象に残った。
傘の方は女郎が主人公のちょっとどろどろした話、おそらくこれも原作があると思うのだが不明。源氏物語の方は二人が並び立って朗読していたが佐藤由美さんは高座に上がって釈台を使ってやっていた。
どちらも機会があれば又見てみたい。

トリはもちろん貞寿さん。前座にはまだ少し早い噺だそうでまた師匠貞心の得意ネタだそうですがなかなかよかったと思います。普段は仇討ちなど戦いの噺ばかりなので今回は悲恋モノをと選んだそう。新婚の若い女性が主人公ということもあって若い貞寿さんにあった噺だと思いました。この噺でも最後は仇討ちになるんですが。決して貞寿さんで物足りないと言うことではないのですが貞心師匠など年配のかたがこの噺を読むとどうなるのか、機会があれば是非聴いてみたいと思いました。