金印偽造事件〜「漢委奴國王」のまぼろし

posted with 簡単リンクくん at 2006.12.14

三浦佑之著
幻冬舎 (2006.11)
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　日本史の授業を聖徳太子ぐらいでリタイアしてしまった人でも「漢委奴国王」の金印の写真ぐらいは見たことがあるだろう。小学生向けの本でも必ず写真が載っている有名な金印だ。国宝にも指定されているこの金印が偽造されたものと言うのだから穏やかではない。しかも発掘されてから現在に至るまでのどこかで偽造･入れ替えられたのではなく発見された最初から偽造印だったと言う。
　偽造そのものよりも偽造に至る過程、偽造を試みた人物の動機など著者の推理・意見はなかなかうなずけるのもが多いのだが完全に決め付けてしまうにはちょっと証拠が薄いかなぁ。これは筆者の責任ではなく最後にこの著書でも書かれているとおり同時代のものとされる中国で見つかった金印も含めて科学的な分析を実施するしかないだろう。日本史・古代史に興味のある方であればなかなか面白く読めるのでは。*1

*1:著者のサイト http://homepage1.nifty.com/miuras-tiger/