昭和史1926〜1945
基本的に時系列で語られながら陸軍と海軍の戦争に対する考え方の違い。とは言え必ずしも海軍のほうが陸軍に比べて現実的な考え方をしていたわけではないなどいろいろ感心させられることも多い。ただ残念なのは基本的に国内情勢に関する記述が多く当時の国際情勢について触れられているのが少ない点と、基本的に当時の軍部や政府が馬鹿だったからおろかな戦争を始めて、情勢が悪化してもきちんと終戦に導くことが出来ず結局聖断を仰ぐことになると言う論調で書かれていること。もちろん当時の軍部や政府をかばうつもりはさらさら無いが馬鹿は馬鹿なりの理由があったと思うのでそのあたりを上で触れた国際情勢と絡めてもう少し書いていただければよりいっそう分かりやすかったと思う。そのあたりはしばしば引用されている著者の個別著作を当たってみる必要があるかもしれない。
*1:講義を録音したCD版も発売されている。 ASIN:B0009ZBF5U