照柿

照柿 上
照柿 上
posted with 簡単リンクくん at 2006. 8.23
高村薫〔著〕
講談社 (2006.8)
通常24時間以内に発送します。
ISBN:406275245X
価格:\680
 高村薫お得意の”文庫化に当たり全面改稿”。単行本から12年ぶりだそう。確か12年前にも読んだ覚えがあるがすっかり忘れてしまっているのでどのあたりが改稿されているのかよく分からないんですが。
 ただ、高村薫の文体って晴子情歌や新リア王で以前の作品と変わったかなぁと思っていたのだが本作品を読んでそれとの違和感をあまり感じなかったのでその辺り文体が少し改稿されているんだろうか。主役合田刑事の部下森巡査部長って前作「マークスの山」では”お蘭”と呼ばれていたが本作ではそういうシーンは無し。単行本版ではどうだったろう。
 で肝心の内容はと言うと重厚でありながら一気に読ませる高村薫節炸裂。
主役の合田刑事ももう一人のメインキャスト野田達也もどちらも疲れきっているとは言えとんでもない行動に出てしまう。普通の人ならそういう行動には出ないだろうというとんでもない行動なんだけど読んでいて身につまされるというか、そういう行動に出てしまっても仕方ないよなと同情してしまう何かが高村薫作品の登場人物にはある。
 新リア王の最後にもああいうシーンがあったし次回作ではきっと・・・(いつ刊行されるかはともかく)。なので合田刑事が登場するマークスの山とレディージョーカーも久しぶりに読み返して見ますか。ほかにも読みたい本がたくさんたまっているのでいつになるか分かりませんが。