神国日本
森元総理の神の国発言への様々な反応に如実に表れたように”日本=神の国”という考えは先の戦争への連想からこれまできちんと論考されてこなかったという。
本書では古代から中世を中心に”日本=神の国”思想がずっと同じ考え方だったのか、変化したとすればどのように変化してきたのか。また”日本=神の国”思想と天皇がどのように関わっていたのかわかりやすく丁寧に説いてくれる。
残念ながら検討の中心が古代から中世までで近世・近現代についてはほとんど触れられていないが本書がきっかけになりもっと幅広くこの問題について検討されるとうれしい。日本思想史を考える上で是非手にとってもらいたい一冊。