火縄の寺〜無言殺剣
数多くのシリーズを手がける鈴木英治氏。本作品は一言も口を利かない音無黙兵衛が主人公無言殺剣シリーズの第二段。鈴木氏のほかの作品はシリーズ連作でありながらそれぞれの作品単独でも楽しめるものが多いがこの作品は出だしがいきなり前作の続きということでシリーズ第1作
大名討ち〜無言殺剣*1を先ず読むことをお薦めします。もちろん本作品だけ呼んでも十分に面白いんですが。
ここのところの鈴木氏の作品は凶悪な事件に立ち向かいながら主人公とヒロインの関係や仲間・上司・部下とのやり取り、食事のシーンなど明るいほっとできるシーンが間間に挟まっているものが多かった。
本作はそういう息抜き(と言っていいのかな)シーンがほとんど見当たらず緊迫したシーンが続く。終わり方も必ずしもハッピーエンドとは言えない。しかしここんところ明るい作品ばかり続いていたのでこういう作品もうれしい。次回作も楽しみ。