毎日新聞社会部

毎日新聞社会部
山本 祐司著
河出書房新社 (2006.2)
ISBN:430924372X
価格:\1,995
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 著者自身、毎日新聞社会部長を歴任した方。だからこそ書ける戦後史を彩る大きな事件を当事者がどのように報じたのか、その場の雰囲気が目の前で見ているように伝わってくる。
本書で取り上げられた事件は主な事件は、下山事件松川事件西山事件、そしてロッキード事件
 下山事件に関しては当時マスコミの大部分が他殺説を主張する中唯一自殺説を採った毎日新聞の立場がわかって興味深かった。
 また西山事件に関しては当事者になってしまった毎日新聞の内部にいた人間にしか書けない無念さが手に取るように伝わってくる。
 この無念さがその後の経営危機に関する記述にも連なってくる。
 はっきり言って身内が書いた身びいきの多い文章だがそれだけに筆者の毎日新聞社会部に対する強い思いがそのばしばしに見受けられる。ろくにそれを強く感じたのがロッキード事件を報じた毎日新聞の強い姿勢に関する記述。
 時々毎日新聞を読みながら朝日や読売とはちょっと違ったスタンスというかにおいを感じることがあったがその理由が少しわかったような気がする。