落語娘
以前大倉崇裕氏の七度狐を呼んだときにも感じたのと同じ違和感を覚えた。*1
タイトルどおり噺家さんがたくさん出てくるんだけどみな青筋立ちまくりかと思うほど
真剣に落語に取り組んでいる。現実の噺家さんが真剣ではないというつもりは全くない。
真剣に落語に取り組みながらその真剣さを他の人間に感じさせないの。噺家さんの理想像ではないのかなぁと思うわけで。特に主人公の真剣さにいたっては読んでいてちょっと引き気味になってしまうほど。因縁ある噺を何十年ぶりかで再演という設定自体は面白いのだが無理に落語にしなくても別にもっと舞台としてふさわしい伝統芸能があるのではないのかなぁ。
もう一遍若手から中堅どころに移りつつある上方女流漫才師コンビが主人公の 『ええから加減』が収録されている。これもストーリーの根本に当たる部分で実際そういった形での売り出し方はしないだろうなぁという違和感はあるのだが登場人物が自分のイメージする漫才師と近いのでこちらのほうがまだ興味を持って読めた。