私の戦後六〇年〜日本共産党議長の証言

私の戦後六〇年
私の戦後六〇年
ISBN:4104783013
価格:\1,785
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不破哲三
新潮社 (2005.8)
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 残念ながら不破氏の演説を生で聴いたことはないが、街頭演説やインタビューなどがテレビで放映されるとつい聞き耳を立ててしまう。決して支持者ではないが話を人に聞かせるすべは心得ている方だと思う。時には親がこどもの頭をなでながら話しかけているようにと言うかものの通りの知らない愚者に上から語りかけているような気がしないでもないんだけれど。
本書もインタビュアーの問いかけに答える形式を取っており*1その文体は上に書いたようなまさに下々のものに語り聴かせる口調。聞きやすさがそのまま読みやすさにつながっていてすいすい読めてしまう。
 内容はと言えばまぁ、共産党の実績を誇りまくるものだが細川日本新党以降、期間の長短はあるが多くの党が政権に入る経験したが唯一野党で居続けた立場から見直し語る戦後史は読んでいて素直に面白い。
 社会党が左派共闘から中道へ大きく舵を切り、以後”共産党を除く”野党との合意なんて言葉が聞かれるようになって以後については少々恨み節も混ざっているか。勿論党に都合の悪いことは何一つ語っていないので全面的に受け入れるわけにはいかないが戦後史を見る一つの視点として読めば面白いかも。

*1:インタビュアーは角谷浩一