うーん、この本も微妙。お恥ずかしい話名前しか知らなかった「
宮中某重大事件」の全容をきちんと解明してもらった前半は大変面白く読んだのだが。この事件主役となった王の得意なキャ
ラクターに依存する部分が多く、この宮家について語ることによって宮家とはいったいいかなるものであったのかや戦前の政界と宮家との関係を一般化してしまうのにはかなり無理があるように思われる。もちろん”某”と言われた事件の全容を明らかにしたこの本の功績が大きいものであることは十分に理解できるんだけど。
そのあたりの無理のしわ寄せがこの本の後半に一気に出ているようでもったいない。政界と宮家の関係についてはもう少し全体像がが記された本があれば読んでみたい。