西日の町 - chomoの日記

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湯本香樹実著
文芸春秋 (2005.10)
ISBN:4167679590
価格:\450
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　久しぶりに湯本さんの新作（といっても親本は2002年刊行）を読む。子供の視線でこれまであまり縁の無かった老人を見るというのは以前読んだ”夏の庭”と同様。但し今回その対象となった老人はずっと離れて暮らしていたとは言え自分の祖父。又祖父を見るだけでなく、祖父とのかかわり方を通じて自分の母親や叔父さんたちも改めて観察対象となっている。というか、この話は子供の視線を通じているが子供と祖父の話ではなくむしろ母親と祖父との話といったほうがふさわしい。
　途中大きな事件が起こるわけでもなく、淡々と話は進む。母親と祖父の間にあるわだかまりも結局その全貌が明らかになったわけではない。何か余韻というか後にひきずるものがある。読んでいて楽しい本じゃないんだけどしばらくしたら又きっと読みたくなる本。