清談佛々堂先生
主人公仏々堂先生(ぶつぶつどうせんせいと読む)は関西に在住する知る人ぞ知る数寄者。その才能や素材を生かし切れていない芸術家や日本旅館の主人がいれば助けてやりその素材を存分に生かせてやる。その為に今日も西へ東へ神出鬼没。こう書くと水戸黄門のようだが(と言っても悪代官のような悪者はあまり出てこないんだけど)そんなにいい人というわけでもなくその素材を生かすことで自らの要望も果たすことを忘れていない。又その素材の生かし方がなかなかこったやり方で面白い。短編連作で4作収録されているが、完全なハッピーエンドでは終わらせない”遠あかり”が良かったかな。