赤塚不二夫のことを書いたのだ!!

 当たり前だが漫画雑誌の編集者というのはよく締め切りにいらいらしながら原稿が上がるのを待ちダッシュで印刷所に掛けだしていく原稿回収だけが仕事ではない。原作者であり企画者であり又データマンでもある。もっと言うとプロデューサーでありブレーンである。この本の著者武居氏もまさに赤塚不二夫のプロデューサーでありブレーンであった編集者の一人。少し前に同じく赤塚不二夫のブレーンであり良き理解者でありながら最後に袂を分かった長谷邦夫氏の作品とダブる点がある一方でやはり最後まで近くにいた人と袂を分かった人とは同じ事柄でも描き方が違うなぁと思いながら読んでいた。*1赤塚不二夫と仕事をしてきたことに対する誇りが御感からあふれ出るように伝わってくる。正直その誇りが鼻につく気も少ししたが。他にも漫画家や編集者、雑誌間の駆け引きなど当事者でなければ書けないエピソードが満載。昭和の漫画に触れたことのある方、興味のある方なら絶対に手に取った方がいい本。