破門〜ただ今、落語家修行中

破門
破門
ISBN:4898001653
価格:\1,785
posted with 簡単リンクくん at 2005. 6.21
松垣 透 / 松垣 透著
リム出版新社 (2005.4)
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 大阪にいたころから何となく落語は好きだったのだが、生の落語会に積極的に足を運ぶようになったきっかけの一つは”風マン”だったこともあって立川流前座破門騒動はオンタイムで見ていた。ファンサイトから立川流の先輩噺家さんの言葉までいろんなところでこの騒動に対する評価を見聞きした。僕もあの騒動では”元”前座さん側に問題があるよなぁと思っていたので正直今更と思ってスルーするつもりだったんだけど、IzumiさんのLove Booksでこの本が紹介されているのを見て*1(少し間は開いてしまいましたが)手に取ってみた。Izumiさんところのコメントにも書いたがこの本を手に取らせるきっかけになったのは破門騒動の少し前に自ら廃業の道を選んだ立川らく吉さんの話が載っていると言うことだった。Love Booksにもきちんと書かれていたんだけれどらく吉さん(頭に”元!をつけるべきだけど)以外にも、立川こしら立川志ら乃、三遊亭王楽、三遊亭全楽(元立川國志館)などの話がでてきたのが良かった。勿論話の中心は風マンを書き売れっ子前座だった立川志加吾(現・雷門獅篭)や立川キウイなんだけど直接彼らが破門になった騒動には関係のない(立川國志館が破門になったのはその前の破門騒動の時)彼らのそれぞれ自分の道を歩んでいることを記すことで単純に志加吾やキウイを擁護した本でないことが分かる。彼らの状態や破門に至った経緯での家元談志との意識のギャップなどは以前から見聞きしていたのとそう差異はなかったんだけど。でもってそのギャップが今も埋まっていないように見受けられるのでやはりあの破門は正しかったんだなぁとも思えてしまう。著者松垣氏の意図に添えなくて申し訳ないが、この本を読んで改めて獅篭やキウイをもう一度追っかけたいという気にはなれなかったがこしらや志ら乃、王楽、全楽をもう少しきちんと見てみようという気になった。