なかなか面白く読めた。前半の山場となる池田隼人(当時大蔵大臣)について渡米し
アメリカ政府と交渉する過程は以前読んだ
*1”東京−ワシントンの密談”と重複する部分もいくらか見受けられたがそれでもなかなか面白かった。とは言え戦後史の知識に乏しい人間が読んでいるので、元から知られている話とこの回想録で始めて明らかになった話の区別がつかないのが残念と言うかお恥ずかしい限り。タイトルに”聞き書”とある通り、二人の編者が
宮澤喜一氏にインタビューしそれに答える形になっているので政治家の
回顧録にありがちな堅苦しさがなくスムーズに読めた。他人事のようにとかくと御幣を生みそうだが自らの長い政治生活で体験したことを冷静に分析し分かりやすい口調で語ってくれる。やはり当事者が語ってくれるほど分かりやすいものは無い。総理時代
PKO法案をめぐるやり取りの中で自ら会長だった
宏池会のお公家集団振りと
竹下派の国会運営のうまさに舌を巻く場面は申し訳ないが少し笑ってしまった。
もちろん大部分は真面目な話なんだけれど、それだけ読みやすくわかりやすいと言うことで。TBS系列で放映されている
時事放談他テレビに出演する宮澤氏の話が分かりいいなぁとおもっている方は是非手にとってみてください。