落語ルネッサンス 第二回創作落語の会 於 池袋西口蔵之助

 今年2月の第1回*1に引き続いて開かれた第2回。趣向は前回と同じで作家が書き下ろした新作落語噺家さんが演じる。前回は出演した噺家さんと作家さんの人数が同じだったので没になった作品はなかったんだけど今回は5人の噺家さんに対して作家さんが11人も集まりその中から選りすぐられた5作品が演じられる。客入りはざっと70人くらい。前回のような酸欠状態にはなっていないがそれでも結構な入り。

・春風亭昇輔 「回転寿司」
 実はこの会、第1回もそうだったのだが客席に落語作家さんのお知り合いが多くいらしている関係もあって普段の寄席は新作落語の会と比べて、普段は落語に余り接していない人の比率が高い。その辺りの空気の差を読み損なうと引いた客を取り戻そうとしたフォローが全く生きないことになる。昇輔さんの亡くなった師匠(勿論春風亭柳昇師匠)や川柳川柳師匠の名前にあんなに反応の薄い客席は初めて見た。
・三遊亭あし歌 「泥棒屋敷」
 古典落語っぽさと話が最初に戻って循環するってパターンを合わせた噺。僕にはサゲが余りピンと来なかった。ごめんなさい。
林家きく麿 「合コン指南」
 作品として良くできていて完成度が高い。一部台詞が出てこなかったところとサゲが混乱してしまったのが残念。
・お仲入り
・三遊亭天どん 「ボーズナース」
尼さん(=ボーズ)で看護士(=ナース)の研修中のどたばたばなし。
ごく普通の新作落語という感じ。少し印象が薄し。
・春風亭柳太郎 「カップの嵐」
前回優勝の柳太郎さん。これも良くできていたが少し長かったか。
・投票&お仲入り
・投票結果発表
 前回と同様、この場で投票結果と合わせて各作品の作者が明かされる。
優勝は林家きく麿 「合コン指南」、第2位は春風亭柳太郎 「カップの嵐」、噺家さんが自分のものにする過程で元々の台本からどれくらい変わったのか分からないが作品としてきちんと出来ており充分再演に耐えうるものだったと思う。各作品の具体的な得票数と作家名をメモしそこねたので省略。ネットにアップあされているのを見つけたら後々追記するかも知れません。
全体的な印象は、最初にも書いたが普段落語を余り聞かなさそうな層がお客さんに多かったこと。なので落語会内輪ネタへの反応は薄いが普通に面白いところでは笑っていたと思う。また表彰状に書かれた”笑点”という言葉もその辺りのギャップから出たものだと思うがそれにしたって昇輔さん過剰反応しすぎ。引っ込みつかなかったんだろうけど。
普段自作自演が多いので他人が書いた作品を以下に自分の言葉で演じるかそのギャップに悩んでいる噺家さんが多かったように見受けられた。前回と異なり今回は台本を受け取ってから本番まで約一ヶ月あったそうなのでその時間に消化し切れたかどうかが出来不出来に反映されていたように思う。最初に書いたように11作集まって演じられたのは5作品。柳太郎さんは6/11広小路亭で開かれるご自身の会で作家の許可が下りれば残り6作品の中から演じたい作品があるとおっしゃっていたので興味のある方は足を運んではいかがでしょう。
 終演後打ちあげにも顔を出したかったのだが次の約束があったので断念。ごめんなさい。
5/30 追記
票数はありませんでしたが順位と各作品の作家さんの名前が合わせて掲示されておりましたのでこちらにコピペしておきます。
1位 林家きく麿 「合コン指南」(石原壮一郎・作)
2位 春風亭柳太郎「カップの嵐」(尾張家はじめ・作)
3位 三遊亭天どん「ボーズナース」(田中ひろみ・作)
4位 三遊亭あし歌 「泥棒屋敷」(船見幸夫・作)
5位 春風亭昇輔「回転寿司」(石井学・作)