野球の国(ISBN:4334738419)
野球の国(光文社文庫) | |
奥田英朗 著 出版社 光文社 発売日 価格 ¥ 500(¥ 476) ISBN 4334738419 bk1で詳しく見る |
2002年から2003年に掛けて野球観戦を主目的に各地を回る紀行エッセイ。章立てにあわせて対象となった試合を列挙すると。
- 沖縄編
これだけは試合観戦ではなく沖縄キャンプ地巡り。(中日北谷、横浜宜野湾、ヤクルト浦添、中日二軍読谷)
- 四国編
ヤクルトスワローズ-中日ドラゴンズ(松山坊ちゃんスタジアム)
- 台湾篇
福岡ダイエーホークス-オリックスブルーウェーブ(天母棒球場)
- 東北編
湘南シーレックス-読売ジャイアンツ(秋田県角館町角館球場、比内町達子森球場)
- 広島編
広島カープ-横浜ベイスターズ(尾道 しまなみ球場、広島市民球場)
- 九州編
沖縄編本文中に宜野湾球場に向かう途中
・・・。慣れない道を地図片手に運転し、前方に球場の屋根が見えてきたときのよろこびは何物にも代えがたい。再び小さくガッツポーズ。これはきっとくせになる。今年は地方球場巡りをしよう。
とあり、これがそのままこの連載(小説宝石に連載された)の元になっている。
最初に”紀行エッセイ”と書いたとおりこれは野球を見に行くことをきっかけにして地方を回る旅行。四国編文中に
どうやら私の旅は「野球と映画とマッサージの旅」ということになっているらしい。
とあるがまさにその通り。そして当然旅先での食事の話やタクシーの運転手や按摩師との会話を読んでいると、ああ、野球が見に行きたい、旅行に行きたいという気になってくる。保険本と行っては失礼だが本来読もうと鞄に入れた本が自分に合わず他に何も読むモノが無くて困るときに頼りになりそうな本。タダこればっかり読んでいると他の本が進まなくなるので気をつけないと。<と言っても相変わらず図書館で借りたのでいずれ返すわけですが。
調べてみると同じく小説宝石に連載された姉妹編”泳いで帰れ”という直木賞授賞式をぶっちして出向いたアテネオリンピック観戦記が出ているらしい。こちらも是非読んでみよう。で、肝心の小説なのですが実は奥田氏の作品、これが初めてでまだ読んだことがない。是非読んでみようと思うんですけどこのエッセイの中で執筆に苦労する姿が書かれていて本編を見る前に舞台裏を覗いてしまう様な状態になってしまった。なので少し間をおいてから読むことにしましょう。天気のいい日に散歩しながら読みたい本。(実際に歩きながら本を読むと危ないけど)
尚、右にはっつけた画像は本書単行本版の表紙。こちらもなかなかいいがあからさまに夏の甲子園をイメージさせるので野球本としてはいいが紀行本ならば文庫本の表紙の方がいいかな。