春風そよぐ〜父子十手捕物日記(ISBN:4198921857)

春風吹く(徳間文庫)
鈴木 英治

出版社 徳間書店
発売日 2005.01.06
価格  ¥ 620(¥ 590)
ISBN  4198921857

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 1月に第1作を読んだ”父子十手捕物日記”*1シリーズ第2作。図書館からの順番の関係で第3作”一輪の花”*2を先に読んだが流れとしては第1弾の最後に余韻を残していたその続編が本作。”一輪の花”はいったん区切りをつけて再スタートという感じだったので先に”一輪の花”を読んでも大丈夫だったのでよかった。
 第1作の最後、事件を解決しほっとしながら歩く親子に突然襲いかかった辻斬り。これが第2作の敵役。彼が付け狙うのは既に隠居している父丈右衛門の方。
 鈴木英冶氏の作品は時代劇と言うより時代劇を舞台にしたミステリー色の強い作品が多いのだが本作はその度合いが低い。勿論、なぜ丈右衛門が付け狙われるのかと言う謎はあるがそれを解くのが本作のメインではない。むしろこの敵役の強さを際だたせることで親子との対決シーンを盛り上げる作品。後、このシリーズでは町を巡回する最中に入って食事をするシーンが多くそれが皆うまそう。さすがに池波正太郎の食事シーンとまではいかないがその線を狙っているのは明らか。これが鈴木英冶氏の作品の幅を広げることになるのか、次回作以降を楽しみにしたい。