洗脳選挙(ISBN:4334933513)

洗脳選挙(Kobunsha paperbacks 051)
三浦博史

出版社 光文社
発売日 2005.01
価格  ¥ 1,000(¥ 952)
ISBN  4334933513

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 衝撃的なタイトルだが、内容はおどろおどろしいトンデモ本ではなく、しっかりとした内容。数年前の小泉・田中真紀子ブーム以後、選挙におけるイメージ戦略の重要性は改めてここで語る必要はないだろう。日本における選挙プランナーの代表である筆者が、実際に自分が携わった選挙を実例に、候補者をよりよく見せるキャンペーンから相手候補を標的に行うネガティブキャンペーンまでわかりやすく説いてくれる。自分が応援した候補の成功例と相手候補の失敗例を対照的に記述するのでやや鼻につく感じがしないでもないが政党がテレビCMにかけた費用など数字も含めてここまで具体的に書いてくれる本はなかなかないと思われる。また、選挙プロパガンダの先進国アメリカでの実例や日本でもすぐそこまで迫っているIT選挙時代のプロパガンダについてもきちんと触れてくれている。
 筆者は、ここまで書いた上でプロパガンダに踊らされることなくしっかりと候補者を見極めて投票するよう呼びかけるが、はっきり言って僕には踊らされない自信はない。踊らされない自信はないが政見放送や選挙ポスターを見る眼は少し変わってきそうな気がする。支持政党は特にないが政見放送を見るのは好き、ついついミーハー気分で候補者を選んでしまう僕のような人はぜひ目を通しておいたほうがいい本。