NHK「日本の話芸」公開収録 於浅草木馬亭

 本当は講談だったのですがいつもながらカテゴリー分けにはご勘弁
タイトル通りNHKの公開収録、と言うわけで木戸銭はタダ。幸い勤務シフトがお休みの日だったので足を運ぶ。満員札止めだといやだから少し早い目に行こうと思っていたんですが二度寝してしまい、到着時には既に開場、開演五分前でほぼ一杯でしたが空席を見つけられました。

  • 田辺凌鶴 「村越茂助左七文字由来」

 まずは前座さん、一鶴門下だそう。といっても一鶴先生の高座を生で拝見したことがないので似ているかどうかは不明。前座さんらしいはきはきとした芸でした。調べてみると平成十二年入門だそう。講談での昇進基準はよく分かりませんがそろそろ二つ目への声もかかってくるころなんでしょうか。

 大阪の演歌歌手の歌謡ショーを見るようなサービス満点の立ち居振る舞い。といっても兵庫は湊川の石工は思いっきり江戸弁なんですけど。テレビで見る水戸黄門のように悪代官もそれにつきまとう悪徳商人も出てきませんが楽しめました。

 落語でもおなじみの演目、落語とは違って”待ちかねたぁ”で終わらずその後きちんと説明を付けておわり。やはりこういう噺は貫禄のある方になってもらうと聞き甲斐がありますね。

  • 神田翠月 「吉原百人斬りから戸田川お紺」

 歌舞伎では”籠釣瓶花街酔醒”として演じられる因縁話の発端部分。本来であれば”百人斬り”がクライマックスなんでしょうがその発端部分も充分怖い。日本の怪談は因縁が絡み合ってどんどん長くややこしくなってくることが多いがその部分部分を切り取って演じるだけでも充分怖い。

 この噺も落語でも演じられることがあるものだがそちらでもまだ聞いたことがない。大岡政談の一つなんだけどお白州の場面がほとんど無くいつの間にか真犯人が自供してしまっている。ある意味で一番すかっとするシーンが無いんだけどこれが普通なんでしょうか。貞水先生の話芸に不満は全くないんだけどこの噺始めて聞いたんですが少し違和感を感じました。