2005-03-12 珈琲相場師(ISBN:4151728538) 読書 珈琲相場師(ハヤカワ・ミステリ文庫 HM 254−3)デイヴィッド・リス著・松下祥子訳出版社 早川書房発売日 2004.06価格 ¥ 1,050(¥ 1,000)ISBN 4151728538bk1で詳しく見る 17世紀後半当時の国際商品取引の中心地オランダアムステルダムを舞台にした歴史ミステリー。取り扱う商品はもちろんタイトルどおり珈琲。当時まだ東洋から入ったばかりでごく一部の人たちだけが口にするものだった珈琲で儲けようとする主人公、その取引を妨害しようとするライバルたち。主人公にとっていったい誰が味方で誰が敵なのか。珈琲の売買以上にそれにかかわる人たちの虚虚実実のばかしあいが面白い。当時の国際商品市場の成り立ちとともにこの本を読んでいてわかってくるのがこの時代の民族と宗教。はっきり書くと当時、ユダヤ人がどのように扱われていたのがよくわかる。といってもこの辺りの機微は僕も含めて日本人にはなかなか理解しがたいものがあります。にもかかわらず読み進めていくうちにどんどん引き込まれていくのはやはりこの作品が優れているからでしょう。ミステリーといっても切った張ったではない部分でのやり取りがやはり面白い。歴史小説、経済小説がお好きな方にお勧めです。