泣き虫弱虫諸葛孔明(ISBN:416323490X)
泣き虫弱虫諸葛孔明 | |
酒見賢一著 出版社 文芸春秋 発売日 2004.11 価格 ¥ 2,000(¥ 1,905) ISBN 416323490X bk1で詳しく見る |
僕は三国志演義をきちんと読み通したことがないのでえらそうに言えないのだが、その中に出てくる理不尽な話の展開にたいして著者自身が随所に疑問を呈し、さらにおもしろさが増す。”孔明が、玄徳があるいは曹操がそのような行動を取ったのだからそうなのだ”と、これまでの三国志演義やその翻訳小説が素通りしていたようなところにも酒見氏は見逃さない、随所につっこみを入れ続ける。その結果手に汗握る戦いが繰り広げられる英雄伝であるはずの三国志を舞台に喜劇を成立させてしまった。実はこの作品、上に書いた三顧の礼の場面までしか書かれていない。その為孔明の常人には理解できない行動も天下に広く影響を与えるモノにはなっておらず親類縁者お近所の方方の首をかしげさせるにとどまっている。(それでも充分面白いのだが、実際にこんな人が周りにいたら本当に大変だろう)。調べてみると最近ようやく第2部の連載が再開されたよう。まだ始まってまもなくすぐに追いつけそうなので図書館でバックナンバーをあさってみるか。