小説・落語協団騒動記(ISBN:4776801221)

小説・落語協団騒動記
金原亭伯楽著

出版社 本阿弥書店
発売日 2004.12
価格  ¥ 1,500(¥ 1,429)
ISBN  4776801221

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 うーん、微妙だなぁ。昭和53年に起こった落語協会分裂騒動を素材にした小説。ただ、この騒動については三遊亭円丈著”御乱心”などこれまでいくつか本が書かれておりこの本で改めて明らかになった事実はほとんどないと思う。そのモデルが一目瞭然の仮名が使われている分かえってたちが悪く感じられる。この騒動の原因にもなった大量真打制度が結局今まで続いていること、そんな落語界を改革してくれるはずだった古今亭志ん朝が若くしてなくなったことが本を書かせたきっかけのようだがそれにしたってこの”口上”(はしがき)での自分の弟子に対する仕打ちはないよなぁ。この本の中で自分がどれだけ自分の師匠のことを信頼していたのか切々と書くのなら自分の弟子が師匠である自分をどう思っているのかわかるだろうに。