コメントする気にもなれないけれど

こんな記事があったと言う事実だけ引用を元に記録に残しておく。(普段は一部だけなんだけど今回は全文)

お粗末12球団会議…パ合併具体案にセ反発
 球界首脳のお粗末ぶりがクローズアップされた。近鉄オリックスの合併問題を話し合う12球団臨時代表者会議が2日、東京・内幸町の日本野球機構会議室で行われた。前日1日、パ・リーグ臨時理事会で了承された合併具体案について、セ・リーグ側から疑問が噴出。優先保有選手、ダブルフランチャイズなどの問題で紛糾し、3時間50分かけても合意は得られなかった。一方で、合併後の5球団でリーグをどう運営するか、パだけではなく、セ・リーグからも意見は出ずじまい。2リーグ維持なのか、1リーグ移行を目指すのか。肝心な部分を置き去りにする情けなさだった。
 プロ野球の球団経営にあたる幹部が集まったこの日の会議は、3時間50分にも及んだ。ただその中身は、とても論議を尽くしたとは思えない内容で、何ひとつ前進しなかった。
 オリックス近鉄の合併問題に端を発した球界では、「1リーグ制」の題目だけが独り歩きするばかりで、球界をどのように運営するのかといった根本的な議論がなされない。各球団の思惑とエゴ、セ、パ対立の構図は不思議を通り越し、そこにうごめく“いい大人”たちの姿がこっけいでならない。
 会議を終えた首脳たちが口々にいうせりふがある。「もう1度、この内容を持ち帰ってオーナーと相談します」。ほとんどの幹部は、こう言い残して会場を去った。実際の球界は彼らがそろっても、何も決まらないシステムになっているようだ。この日の会議は、球界内の議決機関である実行委員会に等しい位置付けにある。何度も同じメンバーで話し合いをして方向性すら導けないなら、すべての問題をオーナー会議に託す方が話が早い。
 前日のパ・リーグ緊急理事会では、合併に伴うプロテクト(優先保有)枠、ダブルフランチャイズが一応の合意をみた。ただ合併を了承しておきながら、一方で日程が組めないため「パ5球団で運営は厳しい」と主張。そう言っておきながら、12球団の会議に臨めば、再編問題には、誰1人触れようとしない。
 今回の合併は、球界の過渡期を証明している。本当に1リーグで成り立つのか、それともセ・パ両リーグ存続がベターか−。そういった論議をせず、それぞれが「球界のため」と能書きだけはいう。だが実際は、枝葉ばかりで重箱の隅をつつく話し合いにしかならないのは理解に苦しむ。それも近鉄首脳は取材陣を避けるように会場を出た。そもそも説明責任がある当該球団のはずなのにと思うと、情けなくて追いかける気力も失った。
 IT企業のライブドア近鉄球団の買収に名乗りを上げた。「11球団1リーグ」でもスムーズに球界が運営できないなら、この新鋭の買収案が論議されてもいいのではないか。巨人渡辺オーナーが「知らない人が入るわけにはいかないだろう。僕も知らない人が」と言うと、すべてが右にならえで、球界は巨人主導の“ぶら下がり体質”で進んでいるのが悲しい現実だ。
 ここは、議決権がないとはいえ、正念場を迎える現状に、根来コミッショナーが「冷却期間を置くべき」と提案するなど、強い指導力をもって球界を導けないものだろうか。ファンの声が置き去りにされ、選手たちの訴えも通らない。こんな球界では、いくら1リーグになっても同じことを繰り返す。プロ野球はいったい誰のものなのか。ファンに愛想を尽かされる前に、目を覚ませ。【寺尾博和編集委員