てけれっつのぱ

てけれっつのぱ
蜂谷涼著
柏艪舎 (2006.6)
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ISBN:4434076744
価格:\1,890
 落語ファンにとって”てけれっつのぱ”と言えば死神に出てくる呪文。僕は図書館で借りたので実物を確認できなかったがあとがきによると帯には林家いっ平のコメントも載っていたらしい。とくればてっきり落語あるいは噺家さんが出てくる小説かと思って手をとってみるとこれが大間違い。しかし、それでがっかりしたわけではありません。時代は明治に移りながらも江戸の名残をぬぐいきれないごく普通の人たちが主人公の上出来の小説でした。
 短編連作になっておりそれぞれの登場人物が一見無関係のように見えて話が進むにつれて絡み合ってくる。話の展開の妙にほれ込みました。
 著者は小樽在住の方。本作品では舞台の大部分が江戸で後半小樽に移りましたがほかの作品は小樽をメインにしているとか。6月には新作も出るようですし既刊もまだ数作品みたいなのでこれから追っかけようと思います。