中村屋のボース〜インド独立運動と近代日本のアジア主義

中村屋のボース
中島岳志
白水社 (2005.4)
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ISBN:4560027781
価格:\2,310
 なかなか面白く読ませていただく。といっても本書の主人公ラース・ビハリ・ボースとチャンドラ・ボーズの区別もつかず中村屋のエピソードをちらっと聞いたことのある程度なので偉そうに言えたものでないが。
前半で取り上げられるボーズと中村屋のエピソードやそこに絡んでくる黒竜会他の面々も面白かったがより興味深かったのは副題にも出てくる近代日本のアジア主義とボーズとの関わり。日本が目指した大東亜共栄圏を肯定したのではとボーズを批判する人もいるかもしれないが、欧米の植民地となったアジア各国が日本に期待していた姿が良くわかる。その反動が現在のアジア諸国反日感情にもつながっていると思われる。
現在のアジアの状況をいろいろ考える際に一つの材料になり得る本。大変分かり易くいい本だと思います。