誠実な詐欺師〜トーベ・ヤンソン・コレクション 2

 いつもBlogやコラムを拝読している総裁さんが進めている記事*1を見て手に取ってみた。
小さな頃、ムーミンのテレビアニメは見ていたり、子供向けの原作本は何作か読んだことがあったがトーベ・ヤンソンムーミン以外の作品に接したのはこれが初めて。
今から思えばムーミンにも数多くの皮肉を効かしたシーンがあったが本作もかなり皮肉が効いている。
総裁さんは自分のブログの中で

ものすごくいろんなことを考えさせてくれる、本です。
お金、信頼、人間の心の平安というものの仕組みについて。

と書いているがまさにその通り。一読すれば登場人物のうちどちらが”誠実な詐欺師”でどちらがだまされた方なのか明確なんだけどもう一度読んでみると、実は逆かなとも思わされる。
 皮肉が効いていて決して明るい話ではないし、もちろんハッピーエンドでもない。にもかかわらず何かほっとするというか後味の悪くない不思議な作品。
ヤンソン氏の他の作品にも手を出してみますか。