凶犯
社会派と言われるだけ合って硬直した官僚主義、部外者を排除する農村の排他主義など様々な中国社会内部の腐敗を告発する内容となっている。それはそれで興味深いのだがそう言ったかた苦しいことを抜きにして緊迫したシーンが続くバイオレンス小説としてみても大変面白い。
主人公は国有林の監視業務を行うために派遣された傷病軍人・李狗子。彼がまっとうに業務を行おうとし国有林の不法伐採と横流しで潤っている村人達と対立する。対立の果てに李狗子が興した惨劇を起点に、その数日前から惨劇の時点までを描写する章と惨劇発生後その原因を追及する過程を描く章と交互に配置することでより緊迫感が伝わってくる。
中国の現代小説ってほとんど読んだことがないのですがなかなか面白かったです。とは言え次に誰を読めばいいのかさっぱり分からないのですがあちこち探してみたいと思います。