寸前暗黒

寸前暗黒
寸前暗黒
ISBN:4048733338
価格:\1,785
posted with 簡単リンクくん at 2005. 9.18
黒河小太郎著
角川書店 (2001.10)
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先の選挙前に見えない道場本舗で紹介されていた本。*1選挙前に読みたかったんだけどばたばたして結局読み終わったのは昨日だった。選挙もすんでしまったし別に読まなくてもいいかなとちょっと思ったが読んで良かった。元々は週刊ダイヤモンドに連載されていたそうでこれを毎週毎週オンタイムで読んでいた人が本当にうらやましい。
 この本のおもしろさは見えない道場本舗さんの該当エントリーを読んでもらえればそれその通りなのだがそれだとこのエントリーの存在意義(と言うほど大げさなものではないが)が無くなってしまうので自分の感想も少し。
 本作は小渕首相が倒れてから森首相を経て小泉首相に政権に映る過程を描いている。前半の山場はなんと言っても加藤紘一の乱。加藤紘一がどのように考えてあの乱を決行し結局失敗したのか。また彼の行動を周りの政治家達がどのように見ていたのか。密室で語られたひそひそ話が次々と明らかになっていて(勿論話題は加藤の乱に限らず)大変面白い。
 ところが後半小泉首相が主役に躍り出るとこの密室でのひそひそ話のおもしろさが影を潜めてしまう。自民党の支持よりも国民の支持の高さで総裁首相になった小泉首相は密室の謀議・ひそひそ話を一切無視してしまう。従ってひそひそ話に何の決定権も持たなくなり本当にただ愚痴をこぼしあうだけの文字通りのひそひそ話になってしまう。
 一方で小泉首相はキャンプデービットでの日米首脳会談できていたあのシャツを選ぶためにこころを悩ませる。小泉首相のキャッチフレーズとその行動様式に引きずられていたのはこの当時も今回の選挙も変わりない。本人の言葉を信じるならば小泉首相の任期はあと一年。彼がどのような形で退任するか解らないがその時にもう一度読みたくなるかもしれない。
 自民党の今回の大勝はよほどのことがない限り任期途中の解散はあり得ないほどの大勝。従って仮に任期延長をしたとしても次の総選挙の時小泉首相が今の地位にいるとは考えにくい。出直し民主党も含めて次回の選挙がどのような形で行われるのか今から楽しみ。<ちょっと気が長すぎますが。