其の逝く処を知らず〜阿片王・里見甫の生涯

其の逝く処を知らず
西木正明著
集英社 (2001.7)
通常2〜3日以内に発送します。
 先日読んだ”阿片王〜満州の夜と霧”*1と同じく里見甫を主人公にした作品。”阿片王〜満州の夜と霧”の方は里見甫の阿片王としての活躍の更に奥に秘められた謎を里見甫だけでなく彼についていた男装の麗人の謎をも追いかけていた作品。それに比べて本作は里見甫の阿片王としてどのような活動を戦時中の満州で行ったかをストレートに再現していく。また本作は小説の形態を取っておりノンフィクションである”阿片王〜満州の夜と霧”と簡単に比べられないが里見甫の名前すら知らなかった僕が読んで面白かったのは本作。今にして思えば読む順序が逆だった。本作でまず里見甫の阿片王としての活躍を抑えた上で、”阿片王〜満州の夜と霧”を読めばより一層楽しめたと思う。ちょっと残念。