右翼団体一水会元会長でさまざまな雑誌やテレビでお見かけする方。ある意味、日本で一番有名な右翼なのかもしれない。著者が自らの経験を元に
公安警察とはいったいどういうものなのかをわかりやすく書いてくれる。警察の公安部がいったいどんな活動をしているのか。一般にはまず表に出てこない。表に出てこないからこそこの本が書かれたわけだが、ではここにすべてが明らかになっているかというと決してそういうわけではない。これは著者鈴木氏の力不足ではなくそれだけ深いベールに包まれていると言うこと。逆説的だがそれだけ深いベールに包まれた組織が日本の公権力内にあるのだということを再認識させてくれることにこの本の意義があるのかもしれない。かつてのように右でも左でも
公安警察の監視対象となる団体がはっきりしている時代はまだよかった。しかし今はどこの団体にも所属せず普段は普通の生活をしている人が突然何か事件を起こす世の中。
公安警察は自らの組織防衛の意味も含めてどこかで何かを起こす”かも”しれない人たちをあぶりだすためにありとあらゆる手段を使おうとする。そして一度目をつけられてしまったらもう二度とその監視の目を逃れることはできない。いつ何時自分が公安の目に留まるかわからない。自分は無関係などと言っていられない。木刀を素振りするだけで”潜在右翼”として目をつけられるそうである。
サッカー日本代表戦や大相撲などを見に行って”
君が代”斉唱の際起立していなかったとか、口を開けて歌っていなかったと言うだけで”潜在左翼”として目をつけられるのかもしれない。もしかしたらこの本を読んでその感想をこうやって公にするだけで目をつけられるのかもしれない。くわばらくわばら。